朝鮮戦争以降、韓国政府は、国のアイデンティティを確立すると同時に、韓国の文化遺産のすばらしさを世界に発信するために、陶磁器を印刷デザインに取り入れてきました。本展示は、時代を代表するさまざまな資料を集め、国のアイデンティティを探るために企画されたものです。
陶磁器そのものではなくデザインによって陶磁器の魅力を伝える本展示では、ハン・ソンウク先生の蒐集資料を中心に、世界中の切手、貨幣、宝くじ、硬貨、記念品など、陶磁器関連資料約500点が紹介されます。
本展示は3部構成になっており、第1部は貨幣の中の陶磁器、第2部は郵便物と陶磁器、第3部は陶磁器のイメージを取り入れてデザインされたさまざまな文化商品が展示されます。なかでも第2部では、世界各国の陶磁器の切手から世界の陶磁文化を伺い知ることができます。さらに、お年玉付き年賀はがきや、たばこの「青磁」「白磁」、古代ローマの硬貨「デナリウス」など、今は流通していない過去のさまざまな資料が紹介され、興味を高めています。
展示『陶磁器を記念する』は、博物館の所蔵品としての陶磁器ではなく、一時代の記録物としての陶磁器の意味を再発見する機会となるでしょう。