韓国では、周辺国との交流を通じて、伝統を守りつつも外国の先進文化を受け入れ、韓国の精神を反映させた個性的な陶磁文化が発展してきました。
今回の京畿陶磁博物館所蔵品常設展は、高麗青磁や、朝鮮の粉青沙器と白磁の変遷過程を探ることで、韓国の陶磁器の発展過程を確認しようと企画されました。
第1部では、「高麗・朝鮮の陶磁器」をテーマに、博物館が所蔵している高麗・朝鮮時代の資料約100点を展示し、高麗時代初期の青磁から朝鮮後期の青華白磁まで、制作技法や形、文様など様々な角度から所蔵品を紹介します。
第2部から第4部では、空間ごとにテーマをつけています。そのうち「生活の中の白磁」というテーマの第2部では、朝鮮時代日常的に使われていた白磁を伝統家具とともに展示しており、「近現代伝統陶磁」をテーマにした第4部では、博物館が所蔵する近代資料9点と、柳根灐、鄭圭、劉康烈、韓昌文、安東五、地順鐸などの作品を展示します。
また、第3部は「京畿道の陶磁器」をテーマにし、陶片約1,110点を高麗前期から朝鮮後期まで時系列に並べ、京畿道の陶磁の特質を参考資料をもとに紹介します。なかでも、陶片資料が収蔵庫に保管されている様子を再現することで、陶片が学術資料として高い価値を持っているということを演出します。