京畿生活陶磁美術館の国際交流展「安全な地平線:バルトの現代陶芸」は、バルト三国の作品が互いに対等な価値を模索し、思考を拡張することに焦点を当てています。本展に参加する75人の作家は多様なキャリアを持っており、パンデミックやグローバル資本主義、環境問題、そしてこのところ最大の問題となっているヨーロッパでの不幸な戦争など今の時代における鋭い争点を、さまざまな作品を通じて表現しています。
私たちが置かれた現実は、さえぎるものが何もなくどこまでも広がる「地平線」とは程遠いように見えます。しかも「安全な地平線」は、私たちの想像の中にしか存在しない理想郷かもしれません。「安全な地平線:バルトの現代陶芸」において地平線とは、無限に拡大する思考の共有と連帯が生み出す多様な可能性を意味します。さまざまな共同体が考えを分かち合うことで芸術のあり方を考察する本展が、私たちにとって幅広い思考とコミュニケーションの場となれば幸いです。