「酒陶展」は、お酒と陶磁の関係を新しい視点から捉えた企画展です。酒陶展では、「韓国のお酒」と「韓国の陶磁器」の調和と「格調高い酒文化」を提案しています。本展示は、酒文化と陶磁の関係を捉え直すとともに、韓国のお酒を紹介するなど様々な情報も提供します。
朝鮮時代の学者李瀷の著書『星湖僿説』には「酒は百薬の長」という言葉が出てきますが、行き過ぎるとその毒が人間の魂まで破壊してしまうといわれます。お酒にも「酒道」、つまり正しい飲み方があり、それはお酒の席でのマナーを守り、風流を楽しむことです。また、酒を注いで飲む酒盞によってお酒の趣と風味が変わるとされ、韓国のお酒は韓国の伝統の器に注いで飲むことが酒道の基本です。
李白は「月下独酌」で、清酒を聖人に、濁酒を賢人にたとえていますが、一千年の歳月を 経てきた陶磁の酒盞で伝統酒を楽しむ風流こそが「酒中仙」になる道です。
本展示では、品格のある酒道を、韓国文化の魂が宿る陶磁芸術を通じて紹介します。人生の喜怒哀楽と共にあるお酒を飲むのに使われる酒盞の役割とともに、お酒に欠かせない肴を盛る陶磁の器にスポットを当てることで、お酒の味と香り、そして陶磁の深い味わいと趣きを感じることができます。