陶磁器の主な材料である土の50%が産出され、200余りの窯元が密集するなど陶芸文化の名所として知られる利川では、毎年、陶磁を媒介として市民や観客が一緒に楽しむ利川陶磁器祭りが開かれます。利川陶磁器祭りでは、陶芸家の作品の展示や陶磁器の販売をはじめ、自分で直接陶磁器を作り陶芸を学ぶことができる陶芸教室、陶芸家が使用している伝統窯への火入れ体験など、観客が参加する多彩な体験イベントが実施されています。毎年新しいテーマの下、子どもからお年寄りまで誰でも楽しめる様々なプログラムが用意されており、世界各国の伝統文化や美しい陶磁作品を鑑賞することもできます。
京畿道広州は、良質の土である「広州土」を手に入れやすく、窯の燃料が豊富だという地理的条件を備えていたため、朝鮮時代、王室に進上する陶磁を生産するための司饔院の分院が設置・運営されていた地域です。約310カ所の窯跡が散在するなど、朝鮮白磁の研究と生産において中心的な役割を担っていました。こうした地域の特性を生かし、国王に進上されていた広州王室陶磁の優秀さを伝えるために1998年に始まった広州王室陶磁器祭りでは、王室陶磁器の展示・販売行事のほか、伝統・現代公演、参加型イベント、体験イベントなど多彩なプログラムが行われます。
きれいな水、鬱蒼とした松林、良質で豊富なカオリンなど、陶磁器の生産に適した条件を備えている驪州は、600余りある窯元で国内の生活陶磁器の60%を生産している「生活陶磁器の町」です。陶磁器を生産する会社や窯元が中心となって1985年、驪州民俗陶磁器事業協同組合が設立され、優れた品質の驪州陶磁器を広く知らせるために、驪州陶磁器祭りが開催されるようになりました。1990年5月に第1回が開かれ、2015年に27回目を迎える驪州陶磁器祭りでは、高麗青磁と朝鮮白磁の流れを受け継ぐ伝統生活陶磁から、新進作家の斬新なアイデアから生まれた現代生活陶磁まで様々な作品を鑑賞すると共に、陶磁器を手頃な値段で購入することもできます。